柔道・阿部一二三&詩 兄妹の相乗効果で“激戦区日本”を突破
阿部一二三(柔道66キロ級・23歳)/阿部詩(柔道52キロ級・20歳)
柔道界では初の「きょうだい代表」とあって、期待は高い。
兄の一二三は同階級の丸山城志郎との24分にわたる激烈な代表決定戦を制し、66キロ級の代表が決定。妹の詩も2020年2月のグランドスラム・デュッセルドルフで優勝し、52キロ級の五輪切符を掴んでいた。
柔道は日本のお家芸。「金メダル以外はメダルではない」ともいわれている。2人にかかる重圧は並大抵ではないものの、金メダルの可能性は高いという。
柔道の取材歴も多いノンフィクションライターの柳川悠二氏は「五輪を勝ち抜くより、国内で代表になる方が難しい」と、こう話す。
「17、18年の世界選手権王者の阿部一二三にとって、最大のライバルが19年王者の丸山でした。12月13日に行われた丸山とのワンマッチは、国内外合わせた事実上の66キロ級頂上決戦と言っても過言ではないでしょう。阿部の成長ぶりも印象的です。豪快な投げ技を得意とする半面、スタミナと駆け引きの部分で不安視されていたが、丸山とは24分にわたる大激戦。自分のスタイルにこだわるだけでなく、相手の動きを封じたり、いなすうまさも身に付けた」