<6>苦労の連続…中3の夏に「ユース昇格見送り」を通告された
父の助言を聞いた息子も素直に受け入れた。
「自分が主力でプレーできる環境で一からやり直した方がいい。最初は他のJクラブもいいかなと考えたけど、お父さんの言う高体連がベストだと判断したんです」
中3の夏、ガンバ側から「ユース昇格見送り」を通告された。
■「点を取るイメージが湧かない。ハードワークも足りない」
「監督だった鴨川幸司さん(現枚方コーチ)から、『大地を見てると<点を取るイメージ>が湧かない。ハードワークも足りないから、昇格は難しい』と言われたんです。でも、心の準備はしていたので、そこまでショックは受けませんでした」と父は本音を吐露する。
最終決定を受け、鎌田が決めた進路は京都府の東山高。福重良一監督が幹雄さんの大阪体育大時代の1学年後輩という縁があり、前々から誘いを受けていたからだ。
「ガンバの試合で大地の出すスルーパスを見て、いいものを持っているとピンときました。攻守の切り替えやハードワークが課題と聞いていたけど、高校3年間で改善できると感じた。『十分、プロを目指せます』とお父さんに伝えました」と福重監督も語ったが、その言葉は鎌田親子の大きな力になったはずだ。