スアレス退団も…阪神のクローザー問題は楽観視している
その藤川がMLB(大リーグ機構)に移籍した以降も、14~15年は呉昇桓、17年はドリスと、阪神の助っ人クローザーが最多セーブ投手のタイトルを獲得。20~21年のスアレスと合わせると、過去10年間で実に5度も阪神から最多セーブ投手を輩出しているのだ。
また、クローザーだけでなく、近年ますます重要性が高まっているセットアッパーについても阪神は次々に優秀な投手を輩出してきた。現役では岩崎優が筆頭だが、16~18年に在籍したマテオと、15年にオリックスから移籍してきた桑原謙太朗(今季限りで引退)の2人は、17年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを分け合うなど、先述のドリスとともに当時の阪神リリーフ陣に欠かせない投手だった。
この他にも阪神のリリーフ投手史を振り返ってみると、古くは通算100勝100セーブをダブル達成した山本和行や、1985年の日本一イヤーのクローザー・中西清起ら、数多くの名投手が浮かんでくる。90年代前半に故障で短命に終わったものの伝説的な活躍をした左のサイドスロー・田村勤しかり、90年代後半に松井秀喜キラーとして名を馳せた遠山奬志しかり、記憶に残る名リリーバーが多いのも阪神の特徴だ。
だから、きっと大丈夫なのだろう。来年、スアレスの穴を埋めて余りあるような新クローザーが颯爽と現れるに決まっている。それが岩崎優なのか、ケラーなのか、それともまだ見ぬ超新星なのか、とても楽しみだ。