ダニエル太郎が4大大会で初の3回戦進出 元世界1位マリー撃破の裏にスタイルの変化
病み上がりで復帰途上とはいえ、相手は4大大会3勝に五輪連覇の実績もあるアンディ・マリー(34=英国)。そんな元世界ランク1位を6-4、6-4、6-4のストレートで下したのが世界ランク120位のダニエル太郎(28)だ。
20日の全豪オープンテニス男子シングルスで自身初の4大大会3回戦進出を決め、試合後の本人は、「とても興奮しています。声援は相手の方でも、ワーッという歓声に鳥肌が立ちました。今やっていることが正しいと思える」と頬を紅潮させた。「かなり攻撃的なテニスをしていましたね」とスポーツライターの武田薫氏がこう言う。
「もともとはベースライン付近で戦うストローカー。周囲から、もっとネットに出ろと言われても、今はこれでいい、35歳までプレーするのだから、少しずつ変えていけばいいとかたくなでした。父親が米国人で、14歳のときにスペインに移住してバレンシアのアカデミーで育った。焦らないスタンスは家庭環境からかもしれません。それが30歳を前にしたタイミングで、プレースタイルもメンタルも変えようと思ったのでしょう。積極的に前に出て190センチの長身を生かせるプレーヤーになり、1年半くらい前からオランダ人女性のメンタルトレーナーもつけています」
2018年にはマスターズ1000のパリバ・オープンであのジョコビッチに勝利。そして今回はマリーに勝った。心身ともにひと皮むけたダニエル太郎は、今後もでっかいことをやりそうな気配だ。