ジョコビッチ国外退去の波紋…豪州の厳格判断で仏英米グランドスラムも追随の可能性

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 火種はくすぶりそうだ。

 男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(34)が、新型コロナウイルスワクチン未接種を巡り、全豪オープン(OP)が開催される豪州から国外退去を命じられた問題。2度に及ぶビザ取り消しの撤回は認められず、スーパースターはコートに立つことなく姿を消した。

 豪州の判断は、この後に控える4大大会にも影響を及ぼしそうだ。スポーツライターの武田薫氏はこう話す。

「昨年の(英ロンドン開催の)ウィンブルドンは、観客がマスクすらしていない状態。(全仏OPを開催する)フランスもコロナに関しては“寛容”だった。しかし今回、豪州が厳しい判断をしたことで、英国やフランスも追随して厳格化するかもしれません。一流選手だからと特別待遇することもしづらくなった。これまでどこも『ワクチン義務化』はしてこなかったが、そこに踏み切る可能性もあります」

 ジョコの問題がこじれた要因のひとつに、国内で判断が二転三転したことがある。その裏には豪州が控える総選挙に関係しているといわれるが、これもまた、他国で起こりえる話だ。

「豪州の首相は国内の人気が低く、選挙を意識した背景もあるでしょう。全豪OPの会場があるメルボルンの州首長は野党なので、判断が二分した。米国や英国でもワクチンに対する考えは政府のトップによって大きく変わる。例えば米国でトランプが復権すれば、国の思想は『反ワクチン』となるでしょう。コロナ禍が長引けばこの流れはしばらく続きそうです」(武田薫氏)

 国外退去となったジョコは3年間の豪州入国禁止。ワクチン未接種が原因で全仏OPやウィンブルドンにも出場できないとなれば、ジョコはもちろん、他の未接種選手にも大きな痛手となる。

「ウィンブルドン主催者が出場を認めない可能性」の報道も

 さらにジョコビッチ(34)は、4大大会全てに出場できない可能性が出てきた。

 ウィンブルドン選手権(6月27日開幕=ロンドン)が行われる英国は入国に際し、新型コロナウイルスワクチン接種を義務付けられていないが、同大会の主催者が方針を転換。

 英紙「ザ・テレグラフ」(電子版)によれば、「主催者がジョコビッチの出場を認めない可能性がある」と伝えている。

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