プロ野球「新型コロナ感染対策厳格化」で春のキャンプ完遂に黄信号
結果的に「キャンプ崩壊」ということにならなければいいのだが……在京セ球団のあるコーチがそう心配するのが、先の12球団代表者会議で協議された2月のキャンプにおける新型コロナ対策だ。
検査体制の強化が決定され、PCRや抗原定量を用いたスクリーニング検査を、従来のガイドラインに定められた週1回から週2回に倍増。濃厚接触者も広範囲にわたって調査する。保健所は「感染者と過去48時間以内に接触があった者」を調査対象としているが、これをNPB独自に72時間に拡大。濃厚接触者は隔離された翌日から3日目と5日目にPCR検査を行い、陰性ならば6日目に復帰できる、とした。
ただでさえ、自主トレ期間中の今月は選手やスタッフから感染者が毎日のように出ており、中日と西武は25日から新人合同自主トレを中止にしているだけに、冒頭のコーチはこう言うのだ。
「蔓延しているオミクロン株は感染力が非常に強いんですよね。つまり、検査をすればするほど感染者が増えてしまうのではないか。球団も感染対策は行っているが、宿泊するホテルには従業員もいるし、出入りの業者もいる。球団のスタッフだって仕事上、外部と接触する者もいる。完全に接触ゼロにはできないし、オミクロン株はマスク着用でも感染例があるというじゃないですか。そもそも、オミクロン株は重症化リスクが低く、1月中に感染した選手も多くが無症状。検査検査で無症状者を掘り起こし、そのたびに隔離ではキャンプになりませんよ」
有観客を前提にしている以上、検査の厳格化は当然のことだが、2月のキャンプはグラウンドに出ている選手の方が少ない……なんてことになりかねない。