著者のコラム一覧
阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

2試合目の先発に備えて仮眠をとっていたが…ブライアントの同点満塁弾の歓声で飛び起きた

公開日: 更新日:

 そのとき私は、西武球場の医務室で仮眠をとっていた。

 1989年10月12日のダブルヘッダー。近鉄が優勝するためには連勝するしかない。1年前の川崎球場と似た状況で、1試合目の先発は高柳出己に。私は2試合目に先発することになった。通常のナイターなら寝ている時間から体を動かしていただけに、少し寝たいと思った。

 球場内の医務室。ほのかに消毒薬の臭いが鼻をつく。真っ白なシーツの上で横になり、ウトウトしていると、突然、ベンチ裏から、「うぉー!」という地鳴りのような大歓声が聞こえて飛び起きた。

 なんだ、この歓声は……いったい、何が起きたのか?

 慌てて医務室を出てベンチ裏に行くと、ブライアントにこの日2本目となる本塁打が飛び出したのだった。

■同点に追い付く起死回生の満塁本塁打

 ただの一発ではなかった。西武の先発は「オリエンタル・エクスプレス」の異名を取った郭泰源。1-5とベンチが劣勢を覚悟した六回、同点に追い付く起死回生の満塁本塁打だったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…