掛布氏、赤星氏も指摘…阪神がロッテ佐々木朗希に無得点で改めて分かった重大課題

公開日: 更新日:

 何とか粘った。

 ロッテ佐々木朗希(20)が27日の阪神戦に先発。井口監督が「しっかりと放ってくれたけど、途中から抜けている球があった」と指摘したように、走者を出した際にシュート回転する直球や抜け球が目立ったものの、6回90球を投げ、4安打無失点7奪三振無四球の好投。チームが敗れたため、勝ち星こそつかなかったが、ロッテ、阪神などでプレーし、ロッテ、ヤクルトで投手コーチを務めた成本年秀氏が言う。

「直球がシュート回転したり、抜け球も目立つなど、決して本調子とはいえなかったとは思いますが、それでも四死球を与えず無失点に抑えたのは、成長の証しといえるでしょう。木村投手コーチも佐々木朗希の状態を気遣いながら起用しているように感じます。今後も好不調を乗り越えながら、ケガをすることなくコンディションを維持して、1年間ローテを守る本物のエースに成長してほしいですね」

 一方の阪神は、佐々木朗希とは昨季の交流戦以来の対戦。この時は甲子園で5回4失点と打ち込んだが、この日は糸原が2安打、中野、島田が1安打と得点の足掛かりを作ったものの、3番大山、4番佐藤輝が揃って3タコに倒れるなど、佐々木朗希を攻め切れなかった。

打線が速いストレートを打てない

 阪神の課題は、かねてOBの掛布雅之氏らが言っているように、「打線が速いストレートを打てないこと」だ。赤星憲広氏も5月、スポーツニッポンの評論で、「開幕から各打者を見ていて気になっていたのは、『ストレートを打てていない』ことだった」と記している。

 この日の佐々木朗希の直球の平均球速は159.5キロ。150キロの高速フォークも投げる。簡単に打てる投手でないことは間違いないが、この日の佐々木朗希は、決して本調子ではなかったし、糸原らがチャンスメークするなど、得点のお膳立てをしたにもかかわらず、あと一本が出なかった。

 ライバル球団の関係者がこう指摘する。

「阪神は今季12度の完封負けを喫しているように、ともにリーグワーストのチーム打率.221、チーム147得点と貧打に喘いでいる。評論家諸氏が指摘するように、直球に弱い傾向が出ている。特に中軸の大山は直球の打率が1割台、佐藤輝も2割程度。投手のタイプにもよりますが、速い球でグイグイ押していけば、大ケガはしないというのが改めて分かった。投手陣としても攻めやすいというのはあります」

 この日、先発のウィルカーソンが8回無失点と好投し、岩崎が最後を締めて完封勝ちするなど、チーム防御率2.82でリーグトップの投手力を誇る。九回に佐藤輝が益田の変化球をとらえて決勝本塁打を放ったものの、最下位から這い上がるためには、とにかく打者が力負けしないことだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…