仰木監督の言葉の深さ パ優勝が消えたとき「勝てないまでも負けなかった」意味
「最後の力を振り絞ったわけですけど……残念ながら、こういう結果になってしまいまして……精いっぱい、戦ったし、悔いはありません。この集団と一緒にやれた幸せをいま、しみじみと感じております」
ダブルヘッダーの2試合目を引き分け、優勝を逃した仰木監督は試合後の会見でこう言った。
その言葉通り、近鉄は最後の最後まで「力を振り絞って精いっぱい戦った」。
■投球練習なしで……
ダブルヘッダー2試合目は4時間を超えて新たなイニングに入れないという規定があった。十回表、近鉄の攻撃が終わった時点で、4時間まで残り3分。試合が十回で終了することは決まったも同然なのに、その裏にマウンドに登った加藤哲郎は審判に投球練習なしでプレーボールをかけて欲しいと注文した。少しでも早くロッテの攻撃を終わらせたい焦りから逆に制球が定まらず、この回の先頭打者にいきなり四球を与えてしまったほどだ。
仰木監督はその3分が経過、試合がこの回で終わることが正式に決まった後に、わざわざ左腕の木下文信を投入して後続を断った。