著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

力士もマスク着用…ハダカで抱き合う相撲で「密です!」と言われてもねえ

公開日: 更新日:

 旅芸人が地方を経巡るのを昔はドサ回りと言った。江戸時代、罪人が佐渡へ島流しにされるとなかなか戻って来れないことになぞらえて、旅を回る芸人たちが「佐渡」をひっくり返して自虐的に「ドサ」と呼んだのだ。

 ドサ回りは江戸興行より格安で、そのぶん畏まらず、日頃はなかなか見せられぬ楽屋裏も披露して客との距離感を詰める。芝居の隈取り化粧を実演してみせたり、衣装の早変わりを披露したりした。

 相撲巡業も同じ。力士たちが日々切磋琢磨する稽古を披露し、日頃聴けない自慢の喉で相撲甚句を披露し、客の連れて来た赤ん坊を力士に抱かせて縁起ものとする。

 今回の巡業では、赤ん坊を抱かずに写真撮影会にとどめた。「初っ切り」ではコントのように力水を口に含んで相手の顔に吹き掛けるなどして相撲の禁じ手を面白おかしく演じるのだが、この水吹き掛けも自粛した。そのかわり、お互い禁じ手に腹を立てて「何だバカヤロ!」と顔を突き合わせようとした途端、行司が割って入って「密です!」。両者は仕方なくマスクをする。客席はドッと沸く。達者な座付き作家でも居るのか、実によく練られたギャグに置き換わった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ