柔道100kg級金 ウルフ・アロンの矜持「メディア露出は第一線で活躍しているときこそ意味がある」
20キロ以上減量、死ぬかと思った(笑)
積極的なメディア出演は昨年で一区切りをつけ、今年は露出を控え、柔道に専念。10月の講道館杯で実戦復帰を果たし、3位に入った。実戦2試合目となるグランドスラム東京(12月3日開幕)に向け、調整を進める。
──10月の講道館杯で実戦に復帰。
「調整段階としては、体重がネックだったのでまずは(100キロ級の体重に)戻しつつ、あまり膝が良くないので、状態を確認しながら……といった感じです。一度試合を挟んでから国際大会(12月のグランドスラム)に出たかったので、講道館杯に出たことで、試合勘を取り戻せた部分はあると思う。あとはしっかり体と向き合って、試合に臨めたらと思います」
──東京五輪では減量に苦しんだが、五輪後の体重は最大で何キロ?
「ヤバかった時は120キロ後半くらいです。講道館杯で20キロ以上減らして、試合もやって。死ぬかと思いました(笑)」
──今回の減量で大変だったことは?
「最後の水抜き(体内の水分を一時的に抜くこと)ですね。ただ、体重は一回落としておくと、次から落としやすくなりますからね」
──講道館杯では準決勝で植岡虎太郎(天理大4年)に反則負け。グランドスラムで再戦の可能性がある。
「乱取りをしたことはありますが、試合は初めてだった。良い選手だと思います。持っていく力もありますし、徹底して組み手をやってくるんで、戦いづらいところはある。でも、万全な状態で挑めば問題ないかなと思っていますし、どちらかというと(講道館杯の敗戦は)僕自身の問題。あまり相手のことは気にしていないです」
■乗りに乗ってやるだけ
──2024年夏のパリ五輪まであと1年半に迫った。
「もう、すぐですからね。なんで、あとは自分自身、乗りに乗ってやっていくしかありません。五輪に出るためにはまず、来年5月の世界選手権の代表の座を勝ち取らないといけない。12月のグランドスラム東京、マスターズで日本人選手の中で一番上を取って、もし1月に代表の決定戦をやるなら、そこで代表の座をしっかり取りたい。2大会連続金メダルに向けて、がんばります!」
▽東京都出身。26歳。了徳寺大職。身長181センチ。左組みで得意技は大内刈り。21年の東京五輪100キロ級金メダリスト。