佐久長聖が全国高校駅伝「高校最高」2秒更新も“ケニアの壁”厚く…倉敷が「大会新記録」V
全国高校駅伝(京都)の男子(7区間42.195キロ)は、倉敷(岡山)が、2時間1分10秒の大会新記録で、4年ぶり3度目の優勝を果たした。
勝利と大会記録に大きく貢献したのはケニア出身の留学生サムエル・キバティ(2年)だ。3区(8.1075キロ)を走り、トップの西脇工(兵庫)から17秒差の3位でタスキを受けると、3.5キロ過ぎに先頭に立ち、留学生の記録を塗り替える22分30秒の区間新をマークした。この大会には「大会記録」とは別に、「高校最高記録」というものがある。同じ高校生が走って2つの記録が存在するのは不思議だが、後者は留学生を起用しない学校の記録だ。
■5000M日本人高校生王者の意地
これまでの「高校最高」は2時間1分59秒(2021年2位の洛南=京都)。今回2位の佐久長聖(長野)は2時間1分57秒で2秒更新した。
同校のエース吉岡大翔(3年)は11月に5000メートルで13分22秒99の高校記録を出し、高校最後の都大路はサムエルと対決するため3区を志願。1位通過した西脇工と11秒差の2位でタスキを受け、1キロ手前で首位に立つも、3.5キロ過ぎでサムエルに抜かれ、置き去りにされた。それでも「日本の高校生では厳しい」といわれていた日本人歴代最速の22分(51秒)で4区につなげたのは、5000メートルで日本人高校生の頂点を極めた意地だろう。
ケニア人留学生に21秒遅れた吉岡は「サムエルに抜かれて悔しい。まったく歯が立たなかった。自分の力が足りない。都大路は終わったが競技は続けていく。外国人選手にも勝てるようにしたい」と言ったが、相手はまだ2年生。長距離王国とのレベル差を改めて感じたレースだった。