著者のコラム一覧
植月正章元アシックス営業本部長

1938(昭和13)年、鳥取県智頭町生まれ。57年オニツカ㈱入社、77年㈱アシックス推進部長、84年理事、88年取締役販売促進部長、93年常務取締役アスレチック事業本部長、99年専務取締役フットウエア営業本部長。2003年任期満了に伴い退任後、兵庫陸上競技協会会長、神戸市体育協会副会長、兵庫県体育協会副会長、神戸マラソン実行委員会会長、近畿陸上競技協会会長などを歴任。

<8>高橋尚子は五輪直前に左脚を故障、シューズに対する考えを変えた

公開日: 更新日:

 1992年バルセロナ五輪。日本のマラソン陣は、男子が中山竹通、谷口浩美、森下広一、女子は山下佐知子、有森裕子、小鴨由水。男女とも金メダルを狙える実力者が揃った。この大会の優勝は男子が韓国の黄永祚、女子はワレンティナ・エゴロワ(ソ連崩壊でEUN代表)。日本勢は森下、有森が銀。男女の金・銀選手のシューズはアシックスだった。

 96年アトランタ大会は有森が銅。連続メダルの偉業を達成したが、私が担当役員の間には、五輪のマラソンでセンターポールに日の丸を見ることはできなかった。

 40年間の夢をかなえてくれたのが2000年シドニー五輪の高橋尚子だ。

 実は高橋は、この舞台に立てるかわからなかった。99年8月の世界陸上(スペイン・セビリア)のレース直前、高橋は左脚を故障する。小出義雄監督は順大時代の恩師である日本陸連の帖佐寛章副会長に国際電話で高橋の症状を説明。帖佐氏は国内のスポーツドクター4人に助言を求め、高橋のレース欠場を小出監督に命じた。ところが小出監督は「欠場」に納得できず、現地のチームドクターに相談。ここでもストップがかかり、レース当日の早朝になってようやく欠場を決めた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  2. 2

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  5. 5

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  1. 6

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  2. 7

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  3. 8

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  4. 9

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  5. 10

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”