“ダメ大関の見本市”が後押し 新小結大の里「来場所で大関昇進」への期待と懸念
初土俵から所要7場所、史上最速優勝を成し遂げた新小結大の里。本来、大関への昇進目安は「三役で3場所33勝以上」のため、今場所がその起点ということになる。しかし、その目安はとっくの昔に形骸化。来場所の成績次第で大関昇進の可能性は十分あるという。(【前編】からつづく)
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強さという点では、疑問を抱く者は皆無。二所ノ関部屋付きの中村親方(元関脇嘉風)は「言うことなし、ですよ」と顔をほころばせ、「大の里の強みは、前に出ていく圧力に加え、バネ、瞬発力が並外れている」と話す。
元横綱大乃国の芝田山親方もかねて、「ものすごい横綱になるよ。それだけの素質がある力士」と絶賛している。
ファンの人気も高い。大相撲の懸賞には「森永賞」というものがある。来場したファンは「これは」と思うその日の一番を選び、中入り前までに投票。トップとなった取組に、製菓会社の森永が懸賞をかけるシステムだ。1日1本、つまり15日間で15本しか出ない賞だが、今場所の森永賞は4日目の阿炎-熱海富士、10日目の琴桜-高安を除いて、残り13日はすべて大の里の取組が選出された。それだけファンからの支持を受けている証拠である。