ウクライナ侵攻
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ウクライナ問題で悪いのはプーチン大統領だけなのだろうか?
少し前、地方で食事をした。日本酒の器にウクライナの国旗が張り付けてある。給仕は「売り上げの一部はウクライナ支援に寄付します」と得意げに話していた。今、日本国内の雰囲気は「悪いのはプーチン」「かわいそうなウクライナ」という論評一色であ...
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ロシア国内のプロパガンダに異変…苦し紛れの“国家総動員”で露呈したロ軍のキュウキュウぶり
ロシア国内のプロパガンダに異変が生じている。プーチン大統領がウクライナ戦争の長期化に向け準備しているとささやかれる中、ロシア軍の苦境は拭い難いようだ。 ウクライナ国防省情報総局は10日、ロシア国内のプロパガンダについて〈ロシ...
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忌み嫌う政敵はウクライナにルーツ 一般住民の「ナワリヌイさん」も銃殺
「ナワリヌイ死亡」。この名の反体制派指導者を知る人なら、思わず「えっ」と声を上げてしまうようなニュースが4月中旬、ロシアによるウクライナ侵攻のさなかに流れた。アレクセイ・ナワリヌイといえば、プーチン大統領自身、その名を絶対口に出さない...
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ロシアの知事5人が異例の同日辞任!「プーチン降ろし」地方から伝播、ソ連崩壊と酷似してきた
地方から“プーチン降ろし”が広がるのか──。ロシアのニュース専門放送局「RT」(旧称ロシア・トゥデイ)は10日、ロシア国内の5人の知事が一斉に辞任したと報じた。9日の対独戦勝記念日にプーチン大統領がウクライナ侵攻の正当性を熱弁した翌...
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負傷兵の退避訴えるウクライナ、英国は北欧2カ国と防衛協力署名
片脚を失い松葉杖をついている2人は、ロシア軍の包囲攻撃が続く南東部マリウポリのアゾフスタル製鉄所に立てこもるウクライナの精鋭部隊「アゾフ大隊」の負傷兵だ。 ウクライナ最高会議の人権担当者デニソワ氏は11日、通信アプリ「テレグ...
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「21世紀にこんなことが…」マリウポリ“制圧”の日に届いた訃報
いつかこんな「暗い日」が訪れるとは覚悟していた。特派員として過去、駐在していたモスクワとキエフ(キーウ)の間を何度も行き来し、ウクライナの知人・友人は数知れず、妹のように面倒を見た親友までいる。「幸い」という言葉でいいのか、2月下旬...
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戦争報道とはこんなもの ロシア専門家の見立ては大外れ
「やむを得ない、唯一の正しい決断だった」──。ウクライナ侵攻を正当化したものの、欧米で臆測が浮上していた「戦争宣言」はなかった。 戦況停滞の中で迎えた9日のロシアの対独戦勝記念日の式典。国民統合を象徴する一大イベントで、プーチ...
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プーチン大統領えげつないロシア軍補強…「開戦宣言」パスでも年末までに45万人増員か
節目とされた5.9対独戦勝記念日に新たな局面入りすることもなく、「プーチンの戦争」は続いている。消耗戦を想定したロシアが最大45万人をウクライナに投入するとの見方が浮上しているが、プーチン大統領はそんな威信を保っているのか。ネオナチ...
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ロシア軍兵士もウンザリの装備ポンコツぶり…指揮官の命令も「拒否」する異常事態
12日で12週目に突入するロシアの軍事侵攻。「プーチンの戦争」に振り回されているロシア兵の士気低下は日増しに強まっているという。精密誘導兵器の不足によって、ウクライナ市民への無差別攻撃の激化が懸念されている。 英国のウォレス...
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無免許だけど命を優先…ロシア軍の攻撃から逃げ切ったウクライナの15歳少女の勇気
ベッドで横になる15歳のウクライナ人少女(氏名未公開)。いま彼女が行ったことが世界中から称賛を浴びている。 ウクライナ東部ルガンスク州からロシア軍の攻撃を逃れるため、4人の成人(男性3人、女性1人)とともに先週、車で脱出を図...
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プーチン演説は拍子抜け 逆に際立った“弱気と限界”…現実味おびる「右腕」への権力禅譲
ウクライナ戦争の節目とされたロシアの対独戦勝記念日は、拍子抜けの展開だった。 有力視されたプーチン大統領による「戦争宣言」も、核戦争時に大統領が乗り込んで指揮を執る軍用機「イリューシン80」が飛ぶ予定だった航空ショーもなし。...
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ウクライナが6月逆襲で反転攻勢か…ロシア軍が弱体化、米欧「攻撃用」兵器供与で強気に
膠着状態が続くロシアとウクライナの攻防戦。この先、戦況はどうなるのか。ウクライナは6月にも“逆襲”に出てくる可能性がある。 ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は5日、「米欧から提供される武器がそろう6月中旬以降に反転攻勢...
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岸田首相を悩ませる「3つのチン」…自民楽勝ムード漂う参院選に不安要素ジワジワ
参院選の公示まで50日を切った。就任以来、岸田首相はナーンもしていないのに内閣支持率は高め安定。そのうえ野党がバラバラで足を引っ張り合っている状況で、自民党内には早くも楽勝ムードが漂っている。 だが、余裕をカマしていられるの...
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【ウクライナのひまわり畑】ソフィア・ローレンの感動名画にもいくつもの闇
新学期が始まって1カ月。このコラムでも何度か書いたが、ここ数年、大学のゼミでは映画を素材にして「物語」の構造と「感動」の関係を探る、という授業をやっている。手順としては、どんな素材を取り上げたいかを受講生にアンケートし、そのラインナ...
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戦勝記念日の虚勢 プーチン大誤算でもこの戦争は恐ろしい結末
ロシアが9日、「節目の日」を迎えた。プーチン政権が最大の祝日と位置付ける対ドイツ戦勝記念日だ。 モスクワの赤の広場では午前10時(日本時間9日午後4時)から大規模な軍事パレードを開始。大陸間弾道ミサイル「ヤルス」や、ウクライ...
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脱ロシア3カ月388万人“頭脳流出”も深刻 プーチン大統領が食らう「名物起業家つぶし」の代償
ロシア軍が2月24日にウクライナに侵攻してから2カ月半。9日、ロシアの対独戦勝記念日を迎えるが、戦争の出口は見えてこない。戦争の長期化に伴い、深刻なのがロシアからの頭脳流出だ。優秀な人材がシビレを切らして、プーチン大統領に愛想を尽か...
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すでに7人が消された…プーチン大統領を支える「オリガルヒ」続々“怪死”の真相
5月9日の対独戦勝記念日を目前に控え、ロシア軍によるウクライナ南東部への攻撃が激しさを増している。軍事パレードで掲げる「成果」の獲得に躍起になっている状況だ。そんな中、プーチン大統領の周辺で異変が起きている。政権を支える新興財閥「オ...
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ロシア制裁に前のめり “米国隷従”岸田外遊の危うさ
ゴールデンウイークに東南アジア(インドネシア、ベトナム、タイ)と欧州(イタリア、バチカン、英国)の計6カ国を訪問した岸田首相が6日、8日間の外遊を終えて帰国した。 「いずれの首脳とも本音で大変有意義な議論ができた」と胸を張って...
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21世紀に日本を「戦争のできる国」にするのはバカげている
21世紀はもはや“戦争の世紀”ではない。プーチンのようにマッチョイズムを信奉し、「強い指導者」たらんとする政治家は、どんどん取り残されていくだろう。どのような理由があろうと、他国の領土や主権を蹂躙(じゅうりん)することなど、あっては...
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もう戻れない 連休中に突き付けられた「日本も参戦」の現実
米国のお先棒を担いだ岸田首相がこの大型連休に東南アジア・欧州5カ国を歴訪し、ウクライナから手を引かないロシアを力んで非難する中、プーチン大統領は新たな報復措置に打って出た。 「出禁」だ。ロシア外務省は4日、岸田と閣僚7人のほか...
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追い詰められたプーチン大統領「核使用」の“兆候”続々…国内で世論づくり、模擬発射で威嚇
5月9日の対独戦勝記念日に向けて「戦果」を誇示したいプーチン大統領。先月27日のサンクトペテルブルクでの演説で「進行中の作戦に外部から干渉しようとするなら、電撃的な対抗措置をとる」と核使用をにおわせていたが、ここへきて「兆候」が相次...
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プーチン政権内に亀裂? ラブロフ外相の「ユダヤ人」発言を大統領が謝罪した不気味
ロシアのラブロフ外相の「ユダヤ人」発言がプーチン政権を揺るがす事態に発展している。 ラブロフ外相は1日、国外メディアのインタビューで「ゼレンスキー大統領がユダヤ系だからといって、ウクライナでのナチスの存在が否定されるわけでは...
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日本人63人“ロシア出禁”基準はナゾだらけ プーチン大統領の狙いは?リスト入り教授に聞いた
〈どういった基準なのか不明〉〈選出理由が全く分からん〉──。ネット上で物議を醸しているロシア外務省が公表した日本人63人の入国禁止リスト。対ロシア制裁への報復だが、なぜ今なのか、効果を期待しているのかなど、ナゾだらけだ。一体、プーチン...
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狂気の戦争の絶望的な教訓と今後 日本も必ず戦禍に巻き込まれる予感(中)
日本の大メディアは「プーチン=悪魔」の報道スタンス一色である。確かに、この戦争はロシアによる侵略であり、ウクライナはその被害者だ。しかし、ウクライナに同情するあまり、「無垢な正義」として扱い、批判すれば糾弾されかねない風潮は非常に危...
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狂気の戦争の絶望的な教訓と今後 日本も必ず戦禍に巻き込まれる予感(上)
この連休中もロシアによるウクライナ侵攻は止まらない。連日テレビで流れる惨状を見ていれば、正気でいられないのは確かだ。それで「日本も防衛費を増やせ」「核保有も議論すべきだ」と一気に振れる“集団狂気”を見ていると、日本も近い将来、必ず戦渦...
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ドネツク州での戦勝パレード中止…プーチン大統領「5.9勝利宣言」断念でヤケクソ暴走の兆候
ウクライナ東部の制圧に向け、攻撃を続けているロシア軍。来月9日の対独戦勝記念日が迫る中、ドネツク州で予定していた戦勝パレードを断念した。「勝利宣言」に暗雲が漂う一方、プーチン大統領は核使用への姿勢を強めている。ブラフなのか、それとも...
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ロシアのウクライナ侵攻は米軍のイラク戦争とどう違うのか
国連憲章によれば国家が武力を行使できるのは自衛権の行使(51条)か、安全保障理事会が軍事的措置を認めた場合(42条)に限られる。今回、ロシアはウクライナから攻撃を受けていたわけではないから自衛権の発動ではないし、安保理の承認を得てい...
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プーチン大統領を織田信長に例える安倍元首相のセンスってどうよ?
「その戦国武将と27回会談し、同じ未来を見たのが安倍氏だ。それだけの盟友関係があるなら(プーチン氏を)止めてほしい」(泉健太・立憲民主党代表) これは22日の記者会見での泉代表の言葉。 安倍元首相が、首相時代に27回も...
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アメリカの一極支配が崩れていく 対ロシア制裁を訴えても多くの国が同調しなかった
20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議が先週の20日、米ワシントンで閉幕した。議長は輪番で、今回はインドネシアだった。こうした会合は通常、波風を立てることなく、共同声明を発表してつつがなく終わる。 しかし、今回は異例の事...
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隣国をさげすむプーチン大統領のゆがんだ「ウクライナ観」
ロシア軍が電撃制圧しようと攻勢を仕掛け、多数の民間人が犠牲になったウクライナの首都キーウ(キエフ)。プーチン大統領が「ロシア人と同じ民族」と言っているのが妥当かどうかはさておき、ウクライナは歴史上、数々の災厄に見舞われてきた。欧州と...