文庫あらかると
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「シャッター通りの死にぞこない」福澤徹三著
闇金で働いていた「おれ」は、社長の斧田に殺されかけ、会社の金3000万を持って逃げ出す。逃走中、空腹を満たすために寂れた田舎町・子鹿町に降り立ったところ、スナックで居合わせた客の賢吾から話しかけられ…
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「夏雷」大倉崇裕著
月島で便利屋を営む元探偵の倉持は、山田という男から北アルプスの槍ケ岳に登るためのノウハウを教えて欲しいと頼まれる。20年前のある出来事以来、登山を封印してきた倉持だが、報酬として寝たきりの父親の施設…
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「八月の光・あとかた」朽木祥著
その日の朝、真知子は出征中の夫に供えた「陰膳が落ちた」ことを理由に勤労奉仕を休むと言い出す。真知子は橘川さんとともに産業奨励館(後の原爆ドーム)近くの郵便局で勤労奉仕をしていた。昔から、災いの予兆を…
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「坂東三津五郎踊りの愉しみ」坂東三津五郎著、長谷部浩編
歌舞伎役者、そして日本舞踊、坂東流の家元だった著者(今年2月急逝)が、歌舞伎舞踊の奥深い世界を案内してくれる芸談書。 舞踊は「出」「クドキ」「手踊り」「段切れ」の4つの部分に分かれており、少…
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「快楽」青山七恵著
慎司は、妻の耀子をヴェニスへの旅に誘い出す。結婚8年を経ても、モデル並みの美しさを保つ耀子だが、慎司は彼女との味気ない夫婦生活に不満を抱いていた。旅行には、慎司が招待した小谷夫婦も同行する。喫茶店を…
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「セックス・ドリンク・ロックンロール!」みうらじゅん著
有名なイラストレーターになると宣言して京都から上京した純だが、美大の入学式早々、遅刻。同じく遅刻をした女に誘われ彼女の部屋で飲めない酒を飲み、翌朝、女のベッドで目覚める。前日の記憶がない純は、飲み過…
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「開帳師」藤井邦夫著
浪人の平八郎は、口入れ屋「萬屋」の万吉の仲介で開帳師の手伝いをすることに。寺院が一般の人々に秘仏を参拝させる「開帳」を催すのが開帳師だ。開帳を催せば人が集まり、勧進元には大金が転がり込む。平八郎を雇…
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「残穢」小野不由美著
作家の私は、作品のあとがきで読者に恐怖体験を募集。久保という女性から自宅である賃貸マンションの和室から畳の上をほうきで掃くような音がすると手紙が届く。私は以前にも同じような手紙を受け取っていた。その…
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大不況には本を読む 橋本治著
巨大なマネーゲームによって金融危機を招き、世界経済が危機に陥った原因は、1980年代に突出した経済大国日本への「嫉妬」だと指摘。そして、嫉妬される日本は「個人消費を増大させる」という方向に向かって「…
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残夢 鎌田慧著
明治44年、明治天皇の暗殺を企てたとする「大逆事件」に連座し、幸徳秋水らとともに死刑判決を受けた坂本清馬の生涯を描く評伝。 裁判では、26人の被告のうち、24人に死刑が宣告されたが、清馬ら1…
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「ラスト・タウン―神の怒り―」ブレイク・クラウチ著 東野さやか訳
人類の滅亡を予測した富豪のピルチャーは、地下基地に設けた機能停止ユニットに選ばれた1000人と潜り込み、1800年後に覚醒する。外界は21世紀とは一変し、野獣化した人類アビーが跋扈していた。ピルチャ…
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「監察医の涙」上野正彦著
これまで2万体を検視した法医学の権威がつづったドキュメント。 脳梗塞で半身不随になった老妻が浴槽で溺死体で見つかり、献身的に介護してきた夫は睡眠薬自殺を図るが一命を取り留める。介護疲れによる…
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「暗転」堂場瞬一著
週刊誌の記者・辰巳が乗っていた満員電車が脱線事故を起こす。気が付くと辰巳は折り重なった乗客の上にいた。左足が動かず、割れた窓から救出されたとき、自分の下にいた女性の安否が気になったが、そのまま気を失…
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「鬼の花火師 玉屋市郎兵衛」(上・下)小嵐九八郎著
天明3年の夏、上野国鎌原村の百姓の息子・友之助が浅間山の大焼けを見物するために寺の観音堂の屋根に上ると先客がいた。江戸帰りの生け花の師匠・紀伊だった。大焼けに興奮した紀伊は友之助と交わりながら、江戸…
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「ニッポンぶらり旅 アゴの竹輪とドイツビール」太田和彦著
居酒屋の達人がつづる紀行エッセー。 東日本大震災の直後に出かけた横浜では、桜木町駅周辺に自費で桜の苗木を植樹している老画家に誘われ植樹祭に参加。その記念講演で耳にした日本の鉄道建築の父である…
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「漂流老人 ホームレス社会」森川すいめい著
ホームレス支援のボランティアを長年続けてきた精神科医が、彼らが置かれた厳しい現実を伝えるドキュメンタリー。 失業して家賃が払えなくなり兄の家に居候中、うつ病を発症した佐々木さんは、兄との口論…
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「ハートブレイク・レストランふたたび」松尾由美著
フリーライターの真以が通うファミリーレストランには、ハルという幽霊のおばあちゃんが出没する。探偵なみの洞察力を持つハルは、本物の事件から、周辺のささいな謎までなんでも解決してしまう。 ハルと…
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40歳からのモテる技術 青木一郎著
約800人もの念願成就に携わってきたという中年男性専門の恋愛・婚活コンサルタントの著者によると、「40歳以上の男性のモテない原因」は、「おじさん臭い外見」「女性とのコミュニケーション不全」「慢性的な…
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「すぐ忘れる男 決して忘れない女」マリアン・レガト著、下村満子監訳、山田睦子訳
男と女の脳の違いを医学的に解説したベストセラーの文庫化。 男女の脳は、構造から化学成分、代謝にいたるまで、すべて異なるという。例えば、人間の複雑な行動を制御する前頭葉の灰白質は、男性よりも女…
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「究極の純愛小説を、君に」浦賀和宏著
高校2年の八木が所属する文芸部の男女8人は、夏合宿のため富士山麓の樹海近くのペンションに滞在。夜、顧問の中谷は八木らに課題を与え、密かにペンションを抜け出す。数カ月前、中谷はこのペンションに宿泊して…