文庫あらかると
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「微笑む人」貫井徳郎著
神奈川の安治川で川遊びをしていたエリート銀行員・仁藤の妻子が溺れて死亡。数日後、仁藤が事故に見せかけて妻子を殺したことが判明する。本が増えて家が手狭になったので妻子を殺したという仁藤の供述に興味を抱…
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「リストラ日和」汐見薫著
大手銀行名古屋支店で営業部長を務める森山は、支店長の横島から、子会社への転出を命じられる。大阪支店時代から横島に仕えてきた森山には青天の霹靂だった。人事に逆らうことが出来ず、子会社のレジャー施設で働…
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「白仏」辻仁成著
筑後川河口に浮かぶ大野島の鍛冶屋に生まれた稔は、7歳のとき、墓守の友人の手引きで少女の遺体を見る。その夜、高熱でうなされた稔は、夢の中で白仏を見る。同じころ、父の長四郎が軍の鉄砲を修理する鉄砲屋に転…
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「吉原という異界」塩見鮮一郎著
資料を読み解きながら江戸の遊郭・吉原の変遷をたどる歴史エッセー。 家康によって江戸城の普請が始まると、遊女を置く「傾城屋」が麹町8丁目や鎌倉河岸、京橋角町などの繁華な町に出現。やがて京橋の傾…
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「龍眼 争奪戦」佐々木裕一著
吉宗から幻の秘宝「龍眼」を盗み出した元御庭番の伝兵衛は、逃走中に記憶を失い、飛騨高山で出会ったおすぎにかくまわれる。命を狙われる伝兵衛は、おすぎの甥・幸村によって伏見稲荷大社の門前にある国豊寺へと移…
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「退職歓奨」江上剛著
海外でプラント工事を請け負う本条工業の常務・島田は、社長の諌山から、水面下で日本最大の重工業企業・五菱重工業との合併話を進めていると打ち明けられる。グローバル化を生き残るためには合併しかないという諌…
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「精神科医が教える 心が安らぐ『老後のシンプル生活術』」保坂隆著
暮らしを健やかで心地よいものにするには、余分なものを手放し、シンプルな生き方をするのが最短で最高の道と説く老後の生き方読本。 定年が近づいたり老いの気配を感じたら、時間的にも体力的にも経済的…
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「風のかたみ」福永武彦著
信濃から都へ上る途中、連れとはぐれてしまった大伴の次郎信親は、迷い込んだ近江のススキの原で出会った陰陽師と古堂で一夜を過ごすことに。まもなく明かりに吸い寄せられるように、伊勢に向かう途中だという笛師…
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「世渡り万の智慧袋 江戸のビジネス書が教える仕事の基本」田中優子著
江戸時代のベストセラー作家・井原西鶴の著作に学ぶ「仕事の流儀」。 例えば「日本永代蔵」第1巻「浪風静に神通丸」の章では、大名は世襲で極楽にいるようなものだが、商人は努力でそこにいたるとある男…
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「酒肴日和」池波正太郎著 高丘卓編
株屋の店員だったある早春、主人の吉野さんが連れていってくれた料亭で出た「白魚の椀盛り」。春になると、あの細くて小さくて美しいかれんな白魚に「あ、ごめんよ、ごめん」と謝りながら箸をとった主人の顔や姿が…
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「おれたちを笑うな!」椎名誠著
釣果を問わず、果敢に出撃を繰り返す「雑魚釣り隊」の釣行の顛末をつづる人気シリーズ第4弾。 1月の遠征は伊豆へ。当初は、厳寒期の浜辺でのキャンプをもくろんだが、隊長である著者が、あろうことか痛…
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「プラットフォーム」ミシェル・ウエルベック著 中村佳子訳
父親の遺産を手にした40歳のミシェルは、バカンスを申請して、ツアー旅行でタイに向かう。文化省に勤務しているが仕事にも情熱を抱けず、人生を諦めているミシェルにとって、観光は二の次で、旅に求めるのはフェ…
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秀吉はいつ知ったか 山田風太郎著
天才伝奇小説家の発想の源を垣間見ることができるエッセー集。 表題作は、秀吉の中国大返しがテーマ。天正10年6月2日に本能寺の変が勃発。史実によると、毛利征伐に出撃して岡山の小城高松城を水攻め…
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「イルカは笑う」田中啓文著
2195年、日本は宇宙リゾート「SCI-F1ランド」建造に50年分以上の国家予算を投入して倒産。「ランド」は「人類圏」の管理下に置かれた。4年後、ツアー客を乗せランドを目指していた宇宙客船で緊急事態…
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「解」堂場瞬一著
1989年、小説家を志す鷹西と政治家を志す大江は、それぞれ新聞社と大蔵省へ就職する。5年後、代議士の父が急逝し、大江は後援会から出馬を要請される。しかし、しがらみを持つことを嫌い、自ら事業を起こして…
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「スクランブル 不死身のイーグル」夏見正隆著
航空自衛隊第307飛行隊第4飛行班(F15イーグル)の風谷は、女性班長の美砂生と後輩の黒羽、そして同期の菅野とともに小松基地を飛び立つ。戦技競技会で飛行教導隊と対戦し全滅させた4人の噂を聞きつけ、ア…
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「月神」葉室麟著
元福岡藩士の月形潔は、明治13年、集治監(監獄)建設調査団の団長として函館へ向かう。航海中、その脳裏に浮かぶのは、維新前に藩による勤皇党弾圧で刑死した尊敬するいとこの洗蔵のことだった。万延元年、過激…
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「自分という奇蹟」五木寛之著
生き方、考え方の基本を説いたエッセー集。 気持ちが滅入って仕方がないとき、著者は困難な状況の中で生き抜いた人の悲惨な運命のことを考えることにしているという。そんなときに思い出すアウシュビッツ…
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「現代語訳 好色一代男」吉井勇訳
生涯恋に身を悩まし、交わった女の数が3742人、加えて男色の相手も725人という世之介の生涯を描いた江戸時代の文豪・井原西鶴の代表作。近代を代表する歌人による名訳の復刻版。 島原に通い詰めた…
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「ねむり鬼剣」鳥羽亮著
隠居した元御家人の宗八郎は、口入れ屋の安田屋に剣の腕を見込まれ、「御助け人」の一人となる。御助け人とは、安田屋が従来の仕事とは別に請け負う、もめ事の仲裁や警護などに関わる者たちのことだ。ある朝、薬種…