「残穢」小野不由美著
作家の私は、作品のあとがきで読者に恐怖体験を募集。久保という女性から自宅である賃貸マンションの和室から畳の上をほうきで掃くような音がすると手紙が届く。私は以前にも同じような手紙を受け取っていた。その手紙の主・屋嶋は久保と同じマンションの別の部屋に住んでいた。久保に問い合わせると屋嶋は既に転居した後だという。やがて久保は、和室で帯のような布が畳の上を引きずられるのを目撃する。不審を抱き調べると、このマンションは短期間で転居していく住人が多いことが分かった。しかし、不動産屋によるとマンション内でこれまで自殺者は出ていないという。
第26回山本周五郎賞を受賞した戦慄のドキュメンタリー風ホラー小説。(新潮社 590円+税)