「鬼の花火師 玉屋市郎兵衛」(上・下)小嵐九八郎著

公開日: 更新日:

 天明3年の夏、上野国鎌原村の百姓の息子・友之助が浅間山の大焼けを見物するために寺の観音堂の屋根に上ると先客がいた。江戸帰りの生け花の師匠・紀伊だった。大焼けに興奮した紀伊は友之助と交わりながら、江戸の花火の話を聞かせる。

 翌朝、浅間山が大噴火し、友之助は祖父母と両親を失い、2歳年下の妹と生き残った村人たちと信州を目指す。友之助は、頭役の男の不正が許せず殺し、わずか14歳にして皆を束ねることになり、やがて皆を率いて一揆に加わる。その後、知り合った破戒僧のつてで江戸の鍵屋にでっちとして潜り込む。

 理想の花火を打ち上げるために悪事の限りを尽くした3代目玉屋市郎兵衛を描いた時代エンタメ。(宝島社 各730円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情