文庫あらかると
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「ふくろう」梶よう子著
西丸書院番士として出仕が決まった鍋次郎は、3年前に結婚した妻・八千代の懐妊も分かり、人生の春を迎えていた。初登城を控えたある日、立ち寄った茶店で鍋次郎の顔を見た年老いた浪人が突然、土下座して許しを請…
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「わんぱく天国」佐藤さとる著 村上勉絵
昭和十×年、地区でただ一人、少年団に所属する小学3年のカオルは、団の帰り道、6年生の明に待ち伏せされる。警戒するカオルに、明は少年団で習う手旗信号やロープのつなぎ方などを教えて欲しいという。隣地区の…
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「波羅蜜」藤沢周著
葬儀ディレクターの倉木に、ある日、商事会社に勤務する梅谷と名乗る男が接触してきた。梅谷は、倉木に「私の葬式をあげて欲しい」という。梅谷は、倉木が担当の病院から遺体を回してもらうため、看護師の杏子に金…
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「ふる」西加奈子著
28歳の花しすは、小さいころから自分の体にまとわりつく白いふわふわとした存在に気づいていた。同居人のさなえや飼い猫など周囲の生き物全てに、そのふわふわはまとわりついているが、みなには見えないようだ。…
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「skmt 坂本龍一とは誰か」坂本龍一/後藤繁雄著
書名の「skmt」とは坂本氏のドメイン名表記。ニューヨークのオフィスや東京のレコード会社の会議室、イタリアの楽屋など、折々に氏が何を感じ、時代をどのようにとらえ、どこに向かおうとしているのかを問いな…
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「『東京電力』研究排除の系譜」斎藤貴男著
原発事故を起こした東京電力の企業体質を検証するノンフィクション。 福島第1原発の事故処理で活躍したのはアメリカの軍事ロボットだった。実は、1999年に通産省が30億円を費やして原発防災支援ロ…
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「女薫の旅」神崎京介著
伊豆修善寺に暮らす山神大地の性遍歴を描く青春官能シリーズ最新刊。 高校3年生の秋、同級生らは受験モードに突入した。学園祭で女装を披露した大地は、そのときに手伝ってくれた雪乃から声をかけられる…
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「雪煙」森村誠一著
国際刑事警察機構捜査官の高木は、休暇を利用して訪ねたオーストリアの名峰グロスグロックナーの麓で日本人女性と知り合う。数カ月後、帰国した高木は再会したその女性・陽子と穂高に登る約束を交わす。元恋人が山…
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「ヤコブソン・セレクション」ロマン・ヤコブソン著、桑野隆ほか編訳
20世紀を代表するロシア出身の言語学者の膨大な著作の中から選りすぐりを編んだ論考集。 「詩人たちを浪費した世代」では、亡くなった畏友で詩人のマヤコフスキイを追悼。故人の実験的な未来派詩人として…
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「ユダヤ式交渉術」矢部正秋著
弁護士として多くの交渉事に携わってきた著者が、現代最高と太鼓判を押すユダヤ式交渉術の実際を伝授する手引書。 ユダヤ式交渉術には、祖国を追われ異国で迫害に耐えながら2000年間も生き抜いてきた…
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「孤高 国語学者 大野晋の生涯」川村二郎著
日本語の研究を通して、「日本人とは何か」と問い続けた国語学者、大野晋の生涯を描く評伝。 大正8年、東京・深川の砂糖問屋に生まれた大野は、書画骨董に夢中だった父親が掛け軸を「カケジ」と呼ぶその…
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「禁止リスト」コーティ・ザン著 三角和代訳
セアラと親友のジェニファーは、交通事故を体験してから、あらゆる危険を避けるために自身にルールを課す「禁止リスト」をつくり、守ってきた。にもかかわらず、同じ大学に通い始めた2人は、ある夜、拉致され、別…
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「土風」坂岡真著
浪人などを大名や旗本に派遣する口入れ屋の「蛙屋」を営む忠兵衛は、悪党を闇に葬る「帳尻屋」というもうひとつの顔を持つ。ある日、仙台藩伊達家の出入り旗本・財部家の用人頭・柳瀬から、参勤交代の大名行列に加…
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「ニッポンぶらり旅 熊本の桜納豆は下品でうまい」太田和彦著
酒と肴を求めて各地を旅する酒場紀行第3弾。 11年の暮れ。所用で出かけた大阪では、日本橋黒門市場に直行。「あさひ」の名物の「カレー天ぷらうどん」に舌鼓を打ちながら、先客の傘についた阪神タイガ…
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「刃引き刀の男」鈴木英治著
御徒目付をクビになり、「よろず調べ事いたし候」の看板を掲げる浪人の修馬に、米問屋の妾・摩伊の用心棒の仕事が舞い込む。摩伊の家で寝泊まりを始めた修馬を御徒目付頭・久岡の手下の時造が訪ねてくる。時造によ…
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「戦国大名 県別国盗り物語 我が故郷の武将にもチャンスがあった!?」八幡和郎著
南北朝時代の終わりから天下統一までの都道府県ごとの政治史をたどる戦国本。 まずは朝廷や幕府のおひざ元だった京都で権力の座についた武将らの移り変わりを追っていく。丹後は明徳の乱まで山名氏が守護…
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「バカボンのパパよりバカなパパ」赤塚りえ子著
天才漫画家・赤塚不二夫の一人娘が、一家の破天荒な歴史をつづったノンフィクション。 赤塚氏が駆け出しの新人時代に女性アシスタント第1号となったのが後の妻で、著者の母親となるママ=登茂子さんだっ…
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「釜石の夢 被災地でワールドカップを」大友信彦著
今春、4年後に日本で開催されるラグビーワールドカップの開催都市のひとつに、東日本大震災の被災地・岩手県釜石市も選ばれた。日本選手権7連覇の名門・新日鉄釜石ラグビー部の故郷だ。本書は、新日鉄釜石を前身…
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「貯金兄弟」竹内謙礼、青木寿幸著
母亡き後、義父に虐待されていた宗一郎と翔太の兄弟だが、自宅の火事で虐待が発覚。やけどを負った義父は親権を奪われ、2人は施設で育つ。苦学して大学を出た宗一郎は、大手広告代理店への就職を勝ち取る。宗一郎…
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「秋しぐれ」辻堂魁著
大関昇進を目前にした関脇の鬼一は、弟弟子のもめ事に巻き込まれ、やくざを殺し、江戸払いとなった。15年後、旅回りの浪人相撲の一座に加わって諸国を巡ってきた鬼一は、妻と娘に会いに江戸に舞い戻る。同じころ…