ダンツマ ~男が泣いて喜ぶツマミ
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【ちりめんじゃこの山椒煮】旬の香りがアクセント
イワシの稚魚を塩水で茹でて天日に干した「ちりめんじゃこ」は、サイズは小さいのにうま味が強い食材だ。余分な水分が抜けてうま味が凝縮しているからで、少し加えるだけでも風味が増し、食感が面白くなる。 …
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【白魚の卵とじ】上品なうまさがジュワッ
江戸の名物料理にドジョウがある。身を開かず、丸ごとを鍋で甘じょっぱく煮込む。これが庶民のスタミナ食だ。卵でとじた柳川鍋も、専門店ではおなじみのメニューである。 そんな下町の夏の定番メニューを…
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【アンコウの酒盗干し】プリッとした身に独特の風味
「はち巻岡田」の冬の定番といえば、アンコウの鍋だ。作家の山口瞳も著書「行きつけの店」で、「鉢巻岡田(原文ママ)の鮟鱇鍋を食べなくちゃ、冬が来ない」と書いている。 アンコウは下ごしらえが手間だ。…
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【ニラ饅頭】両面焼きで香りを引き出す
劉さんのニラ饅頭は、パッとイメージできるそれとは少し違う。一般によく見かけるのは、花びらのように丸く包まれたタイプ。シューマイを平らに潰したような格好をしている饅頭だろう。 劉さんのは、餃子…
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【干し椎茸、ピーマンの焼き餃子】タレにつけるのはもったいない
中国で餃子といえば、水餃子だ。食べ終わった後のゆで汁をスープのように飲むのも作法。消化をよくするための工夫だそうだ。 「日本では焼いてタレにつけて食べることが多いですが、もったいない気がします…
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【菜の花の水餃子】ゴロッとした豚肉に負けない春の香り
日本の食材に感動した劉さんは、さまざまな餡を試作してきた。中国では見かけないミニトマトを生ノリと合わせてみたし、牛肉やキノコも使ってみた。 トマトのように水分が多い食材を使うと、餡がべちょべ…
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【イカ海鮮水餃子】ダシを含む卵と甘いホタテのハーモニー
海に面した大連に生まれ、小さいころから海鮮料理に親しんでいた劉さんが日本に来て驚いたのは、スーパーで当たり前に売られているホタテのうまさだった。 「甘味が強くて、おいしいですよね。中国にもホタ…
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【「劉媽包」の皮】大連の母に習った技法
中国・大連出身の劉さんにとって餃子は“おふくろの味”だ。子供の頃は週に3~4日、母親の手作りを食べて育ったのだという。 「長江よりも北の地域では、家庭で手作りする習慣があり、私も子供の頃から母…
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【アジのパクチーなめろう】際立つ爽やかさ
材料が揃ったら、難しいことはなにもない。 若林さんも、「あとは包丁で叩くだけですから。このレシピで一番重要なのは、盛り付けるお皿をキンキンに冷やしておくこと」と、笑う。 アジの三枚お…
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【鶏皮とエリンギのピクルス】無限の万能調味液
ランチのカレーももちろんいいが、「ヘンドリクス」は夜も楽しい。店内の黒板には、若林さんが工夫を凝らした料理のメニューがびっしり並ぶ。 ある日のラインアップを見ると、アチャールだけで6種類。ス…
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【菜の花のゴマクミン和え】決め手は特製パウダー
パッと見は、「菜の花のゴマよごし」だ。 が、そこは“スパイスの魔術師”である。口に広がるクミンとすりゴマの香ばしい風味がなんとも楽しい。後を引くうま味はかつおぶし粉だ。それらをまとめる、ほの…
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【ナスと豚しゃぶの梅干しカレー】酸味と香りのごちそう
東南アジアで重用される調味料のひとつに「タマリンド」がある。マメ科の常緑高木で、その果実を料理の酸味づけに使うのだ。本場インドでも、スパイスの香りを引き立て、味を引き締めるのに欠かせないものだが、日…
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【初ガツオと山芋のスパイスオイル和え】刺身にオイルが新定番
「まず、お刺し身に合う調味料からご紹介します」 若林さん、そう言ってオリーブオイルを入れた小さなフライパンに火をつけた。そこへ、クミンとコリアンダーのパウダー、七味唐辛子、ニンニクのみじん切り…
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【豚のスペアリブのみそ漬け】仕上げのタレを残して
肉好きには、たまらないだろう。こんがりと焼き目がついた一皿が登場すると、みそや醤油の香りがほのかに漂い、食欲を刺激する。カメラマンとともに「酒が欲しい」。まさに男のツマミだ。 「店で使う豚のス…
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【ホタルイカとカブのマリネ】食感の良さとミソのコク
春の味覚、ホタルイカは酢味噌で和えたり、パスタにしたり。さまざまな調理で楽しめる。この海の幸に春を感じる人は少なくないだろう。 「店では、日替わりのアミューズ(お通し)としてお出ししています。…
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【シュリンプ・ラタトゥイユ】まるで和食のような繊細さ
フランス料理の定番ラタトゥイユは、店や家庭によってバリエーションに富む。トップシェフは、玉ネギとパプリカ、ズッキーニ、ナスの定番4食材をアッサリと仕上げるスタイルだ。 「ラタトゥイユは、応用が…
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【レバームースパテ】湯せんの仕上がりが滑らかさのカギ
「最近は、レバーペーストにハマっていてな。朝は、トーストに塗って食べる。これが、ウマいんだよ」 1年前、時代小説の名手・山本一力氏を取材したとき、笑みを浮かべてこう言った。今回のレシピを見て、…
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【カキのワイン蒸しトマトサルサ添え】濃厚かつサッパリ 春のカキはニンニクが肝
オイスターバーが各地に定着し、一年を通しておいしいカキが食べられる。三陸には、桜の時季に合わせて流通する、大ぶりのカキもある。そんな海のミルクがトップシェフの手にかかると、一段と濃厚さを増す。 …
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【魚介の酢みそ和え】1種類とはいわず2、3種類で
店では「魚介のヌタ」として通年提供する定番メニューだ。 「その日の仕入れ次第で使用する魚や貝の種類は異なります。ご家庭で作る際も、切り身の盛り合わせなどを上手に使うのがいいのではないでしょうか…
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【新子焼き】“秘伝”の漬けダレを育てて
「新子焼き」といってピンとくる人はどのくらいいるだろうか。骨付きの若鶏の半身を炭火などで素焼きした旭川市民のソウルフードだ。もっとも、「自宅ではあまり作らないんですよ」とは女将の西岡美子さん。 …