妊孕性温存療法 女性は患者によって3つの凍結方法がある

公開日: 更新日:

 がん治療を行うと、抗がん剤や放射線の影響で生殖機能に障害をもたらす可能性があり、年齢や治療内容によっては妊孕(にんよう)性(妊娠のしやすさ)を完全に失う場合もある。しかし、小児・若年がんでは、がん治療の前に卵子、受精卵(胚)、精子などを凍結保存する「妊孕性温存療法」を行うことで、妊孕性を温存できる可能性が残されている。

 聖マリアンナ医科大学病院産婦人科の鈴木直教授が説明する。

「あくまでがん治療が最優先となり、この療法の提供はがん治療が遅延なく行われることが原則です。そして、がん治療を担当する医師によって妊孕性温存が可能であると判断された場合にのみ実施されます」

 凍結保存の方法は、女性の場合「卵子凍結」「受精卵凍結」「卵巣組織凍結」があり、患者の年齢や婚姻状況、がん種などによって選択される。

 卵子凍結は、採取した卵子を凍結保存し、がん治療が終わった後(または結婚して子供をつくるとき)に体外受精させ、子宮に戻す。受精卵凍結は、体外受精させた受精卵を凍結保存し、がん治療後に子宮に戻す。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…