【火山列島ニッポン】東日本大震災のあと御嶽山ほかが急速に活発化する火山列島。大噴火は起こるのか?

公開日: 更新日:

「火山はすごい」鎌田浩毅著

 京都大学で教壇に立つ火山学者が書いた火山入門。面白いのは「ぜんぜんやる気のない学生」だった著者が、いかにして火山の魅力に目覚めてゆくか、その個人的な経緯からやさしく面白く説き起こしていること。

 適当な就活で就職した通産省地質調査所(当時)時代に出合った阿蘇山の雄大な風景と、懇切に指導して「師匠」になってくれた上司の思い出。こういう入り方なら中高生でも気軽に読んで親しめそうだ。現に京大では毎年数百人の受講生のいる教養科目で人気第1位を獲得しているという。

 本書でとりあげられた火山は阿蘇山、富士山、雲仙普賢岳、有珠山、三宅島、そして御嶽山。実は本書の初版は02年に出たのだが、その後、11年に地震災害の東日本大震災が起こり、昨年は御嶽山の噴火で戦後最悪の火山災害が発生。それらを受けて御嶽山の章も追加され、現状と今後の予測を踏まえた長いあとがきも加えられた。

 ちなみに全国の活火山の数も初版当時は86個だったが、いまは110個に増えているという。それだけ日本列島の火山活動は活発になっているわけで、まさに「1000年ぶりの大地変動の時代」に入っているのである。(PHP研究所 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も