文明崩壊後に役立つ!?究極のサバイバルブック

公開日: 更新日:

 地球の文明が崩壊し、生き残った人類がサバイバルを始める……。SF映画ではよく見る設定だが、現実の世界でも異常気象や新型感染症の拡大、大地震に核戦争の危機など、地球を終末に導きかねない要因は数多く存在する。

 地球の“大破局”が訪れたとき、人類は元の社会生活を取り戻すために何をなすべきか。

 ルイス・ダートネル著、東郷えりか訳「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」(河出書房新社 2300円+税)では、生き延びた後に“いかにして文明を取り戻すか”を教えている。いわば、復興のための手引書だ。

 まずは、食料の確保だ。イギリスの環境食料農村地域省では、乾麺や缶詰などの「売れ行きの遅い常温保存可能な食料」が国家備蓄食料として11・8日分あると見積もっている。これを、遺伝子研究によってはじき出された、地球を復興するために必要な最少人数である1万人の生き残りに分配すると、50年間は持つ計算になる。

 作物の種子を拾い育てれば、50年もかからずに農業は復興すると思うかもしれない。しかし、現代の農業で栽培されている作物のほとんどは、均一で生産性の高い2つの近交系を掛け合わせて生まれたハイブリッド種。これらには多くの肥料や農薬を用い、高度な農地環境で育てる必要があるため、物資の枯渇した大破局後では育てることはできない。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン