「世界一やさしいトリガーポイントの探し方・押し方」大谷素明著
マッサージで凝っている部分を押したり揉んだりしても、痛みが改善しないことがある。その原因のひとつとして考えられるのが、痛みの引き金となる点「トリガーポイント」だと、鍼灸按摩マッサージ指圧師の著者は解説する。
トリガーポイントは筋肉の中にあり、筋肉が凝ることで起こる虚血によって形成される。そして、トリガーポイントから離れたところに痛みを出すという特徴がある。つまり、マッサージをしても改善しない痛みは、トリガーポイントを探し出してケアすることが重要というわけだ。
本書では、痛みの部位別にトリガーポイントを見つける方法を伝授している。例えば、肩の痛みで最も多いのは肩の後ろ側の痛みだが、そのトリガーポイントが形成されやすいのが頚椎と肩甲骨をつなぐ「肩甲拳筋」だ。
この筋肉は頭を右または左に回す時に使われている。右に振り向いてみて右の肩の後ろに痛みが走るなら、肩甲拳筋にトリガーポイントがある可能性が高い。
肩甲拳筋は、頚椎のやや後ろ寄りの側面から背中の肩甲骨上部につながっている。肩が痛くても首にトリガーポイントがあるかもしれないため、肩甲拳筋に沿って指やツボ押し用のグッズを使って押してみよう。手が届きにくい場合は壁との間にボールを挟んで刺激する方法もある。やや強めに刺激するのがポイントで、10段階の強さの6または7ぐらいの力で、20~30秒続けて押すのもよい。入浴後の血行が良くなった状態で行うのも効果的だという。
本書では、頭部や背中、腕や尻、膝などのトリガーポイントを、それぞれイラストで解説している。改善されない痛みがあるなら、トリガーポイントを探してみよう。
(エクスナレッジ 1500円+税)