「ブルックリン・フォリーズ」ポール・オースター著 柴田元幸訳

公開日: 更新日:

 元保険会社の外交員・ネイサンは、死に場所を求め、幼少期を過ごしたニューヨークのブルックリンにアパートを借り転居する。肺がんの治療には成功したが、仕事を失い、妻とは離婚、生きる気力を失っていた。おまけに元来の気難しい性格が災いして、友人もなく、一人娘との関係も絶望的だ。ダイナーとレンタルビデオ屋、そして古本屋に通う日々を過ごしていたある日、その古本屋で7年ぶりに甥のトムと再会する。

 文学を研究して大学院に進学したトムは、なぜかタクシー運転手を経て古本屋の店員になっていた。以来、トムと昼食を共にするようになったネイサンは、彼から古本屋の店主ハリーの驚くような過去を聞く。

 ブルックリンで暮らすさまざまな人の人生を描く家族再生の物語。

(新潮社 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動