テレ東「絶メシロードseason2」は一期一会の“ドキュメンタリードラマ”
あの男が帰ってきた。
「絶メシロードseason2」(テレビ東京系)の主人公、須田民生だ。演じるのは前作同様、映画「カメラを止めるな!」の濱津隆之である。
絶メシとは、「絶滅してしまうかもしれない絶品メシ」のこと。地方の町に長くひっそりと生息する、枯れた店でしか出合えない味だ。そんな絶メシを求めて、民生は週末になると1泊2日の旅に出る。金曜の夜、クルマで出発して現地で車中泊。翌日の土曜、自分のカンを頼りに絶メシを見つけて味わい、夜には自宅に戻ってくる。
登場するのは全て実在の店だ。第1話は千葉県鴨川市の「真珠の庭」だった。歴史を感じさせる外観と店内。女将さん(藤田弓子)の「ガードを突き破って懐に飛び込んでくる接客」もうれしい。
注文したのは、金目鯛の煮魚定食だ。煮汁がしっかり染みており、甘みと生姜のバランスも抜群で、民生を喜ばせる。また追加で頼んだ車エビのカツレツは、準備に4日かけるという労作。こちらも大満足だった。
とはいえ、高齢者である店主は「次に来てくれた時はマンションが建ってるかもしれないよ」と笑う。失ってしまうには惜しいが、絶メシは一期一会の覚悟も必要だ。
物語はお店の取材を基に構成されており、いわばドキュメンタリードラマだ。はまり役の濱津が放つ、独特のリアル感も堪能できる。