交通事故の死亡リスク、軽自動車は普通車の1.5倍…5331人を調査
世界保健機関の統計データによれば、15~29歳における死亡原因は交通事故が最多であり、その経済的な損失は世界で1.8兆米ドル(約270兆円)に相当すると見積もられています。
軽自動車は普通車と比べて価格が安く、燃費の良さなどから消費者に人気の高い自動車のひとつです。実際、日本国内における新車販売台数の約40%を軽自動車が占めています。
一方で、軽自動車は普通車と比べて、車体の強度が弱い傾向にあり、衝突時の耐久性が低いと考えられます。そのような中、軽自動車と普通車で、交通事故による死亡リスクに差を認めるのかどうかを検討した研究論文が、プロスワンという科学誌に2025年2月5日付で掲載されました。
日本で行われたこの研究では、02年から23年の間に太田西ノ内病院(福島県郡山市)に、救急搬送された交通事故患者5331人が対象となりました。このうち、軽自動車に乗っていた1947人と、普通車に乗っていた1947人が最終解析に含まれ、入院中の死亡リスクが比較されました。なお、比較した2つの集団は、年齢(中央値42歳)や性別(男性約51%)などの背景が一致するよう統計処理されています。