宇梶剛士が語る俳優の矜持「還暦になって、なんとも言えない多幸感があります」
身も心も身軽!
――今年8月に還暦を迎え、心境に変化は?
「身も心も身軽! なんとも言えない多幸感があります。こうすべき、しなければならないと考える必要がなくなったし、既に身についているから立ち止まらなくても無意識で判断できるようになったかな。『トワノアイ』を書き上げて、アイヌのことを学んでから熊の爪のネックレスを身に着けるようになりました。今までアクセサリー類はヤカラっぽく見えるかなと思っていたんだけど、そういうこだわりも捨てていいかなって。面白い人生を歩んでいきたいですね」
――舞台は1669年にアイヌと松前藩が戦った「シャクシャインの戦い」がモチーフになり現代とクロスオーバーします。
「アイヌの弓の名手が目の前の敵に矢を射らず、天に矢を放って姿を消すんです。遠い昔にアイヌの勇者が空に向けて放った矢は、アイヌとは、愛とは、家族とは、など人間の存在意義を問いかけながら時空を回る。この舞台には『人に問い続ける心を手放さないように』というメッセージを込めています。作品を見てくれた方の心の隙間や空白を物語が満たしてくれたら幸いです」
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)
▼劇場版「永遠ノ矢=トワノアイ」
22日から11月4日まで下北沢トリウッドで公開。上映終了後ほぼ毎日アフタートークショー開催!
10月29日、30日、11月3日にはゲストトークショーあり。詳しくはHPで。