天才落語家 桂枝雀がうつ病で自殺の衝撃
ところが、病気は一気に進む。97年ごろのことである。ヒロインの師匠の「将棋の名人」という重要な役で出演したNHKの朝ドラ「ふたりっ子」で、「セリフを間違えて共演者に迷惑をかけているのではないか」という妄想に取りつかれ、再び症状が強まった。高座で「自分の落語がわからなくなってきた」と泣くこともあったという。
爆笑王として客を大笑いさせながら、人一倍芸に悩み、自ら高座の枕で病気をネタにもした。「うつ病がひどい時は、ご飯を食べるととがった米粒の先が胃に突き刺さると思った」と語ったこともあった。天才ゆえの悩みを抱えながらの59歳での死だった。
◇1999年4月 7日、西武の新人・松坂大輔投手が日本ハム戦でプロ初登板。8回2失点でプロ初勝利。11日、衆議院議員を辞職して政界を離れていた石原慎太郎が東京都知事に当選。20日、米コロラド州のコロンバイン高校で生徒2人が銃を乱射、12人の生徒と教師1人を射殺。犯人2人も自殺。