診断で異常なしでも発症 心筋梗塞「早期発見」のポイント

公開日: 更新日:

動脈硬化のリスク要因がなくても……

 ところが、心筋梗塞を起こした患者には、脂質異常症も糖尿病もなく、血圧は正常範囲で、喫煙習慣もない人がいる。

「こういった人の心筋梗塞は、動脈硬化とは関係ないものだと研究で分かってきました」

 では、何が問題になっているのか?

 ひとつは「冠攣縮性狭心症」だ。狭心症には、階段を上がるなど動いている時に症状がある「労作性狭心症」と、寝ている間など安静時に症状がある「冠攣縮性狭心症」がある。後者は「安静時狭心症」とも呼ばれる。

「労作性、冠攣縮性、ともに心筋梗塞の前兆ですが、『労作性』が4つのリスク要因によって動脈硬化が進行した状態で表れるのに対し、『冠攣縮性』は心臓に酸素などを送る冠動脈が一時的に痙攣を起こして収縮し、血流が途絶えた時に表れます。先に述べたように、動脈硬化とは関係ありません」

 つまり、動脈硬化につながるリスク要因がなくても冠攣縮性狭心症は起こり、それが心筋梗塞につながるケースも少なくないのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が