診断で異常なしでも発症 心筋梗塞「早期発見」のポイント
前回は、心筋梗塞のリスク要因について紹介した。一方で、心筋梗塞のリスク要因に全く該当していなくても、突然、発症することがある。どんな場合が危険なのか?
日本人の死因は、第1位ががん、第2位が心筋梗塞を含む心疾患だ。がんについては、「誰もが発症する可能性がある」と認識している人は多いだろう。
しかし、心筋梗塞については「自分は大丈夫」と思っている人が結構いるのではないか? もしその理由が、「やせている」「健康診断などで数値はいずれも正常」「たばこもアルコールもやらない」といったものなら、その“自信”は撤回した方がいい。
「心筋梗塞には主に4つのリスク要因がありますが、それらは“なりやすさ”を示すもので、該当しないことが“心筋梗塞にならない”の証明にはなりません」
こう指摘するのは、東海大医学部付属病院循環器内科・伊苅裕二教授だ。
心筋梗塞のリスク要因は、脂質異常症、糖尿病、高血圧、喫煙習慣の4つだ。脂質異常症にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が関係しているが、心筋梗塞のリスクを上げるのは、LDLコレステロールが高い場合になる。