効果に疑問符 歯科医師はなぜ「歯磨き剤」を勧めないのか

公開日: 更新日:

■かろうじて効果があるのは2つだけ?

 実は歯磨き剤には2種類ある。歯石の沈着や口臭などを防ぐための基本成分のみが入っている「化粧品」と、歯と歯ぐきの健康を保つための薬効成分が含まれている「医薬部外品」(薬用歯磨き剤)だ。

「薬用歯磨き剤には漢方や消炎剤、ビタミンやプラークを溶解する薬剤が入っているものがありますが、有効成分が吸収できるか疑問だったり、効果があってもその場限りとしか考えられないものがほとんどです。あえて効果を認めるとしたら、歯磨き剤は『フッ素入り』と『知覚過敏用』です」

 フッ素入りは子供や歯ぐきが下がって象牙質がむき出しになったところが虫歯になっている中高年には有効だという。プラークの中での細菌の活動を抑制し、歯の質を強化して、歯の再石灰化を促す働きがある。

「冷たい水などが歯にしみる知覚過敏用の歯磨き剤は、刺激が通る象牙質の細管の入り口をふさいで痛みを止める効果が得られます。ただし、いずれも根本治療にはなりません。あくまでも歯科医師に行く前の処置としては有効ということです」

 基本的に歯磨き剤は必要ない。ただし、コーヒー好きの人などは歯の表面に色素が付着する恐れもある。そんな人は普段の歯磨きは水だけで行い、1日1回程度、研磨剤を含んだ歯磨き剤で歯の表面をザッと横磨きするのがいいだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 2

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  1. 6

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  2. 7

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  3. 8

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  4. 9

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 10

    自民・鶴保失言「運のいいことに地震」で苦戦の二階ジュニアに赤信号…参院選“仁義なき紀州戦争”決着か