がん、歯周病、虫歯…口腔内トラブルは“光”を使って治す
歯科医というと、ドリルで虫歯を削るイメージしかないという人がほとんどだろう。しかし、それは間違いだ。最近は「光」を使った新しい機器により、がん検診や歯周病・虫歯治療を行う歯科医院が増えているという。
「口腔がん検診として視診、触診と並び、『口腔内蛍光観察装置』による検査を行っています。これまで30人に行い、4人が“疑いあり”ということで、提携先の歯科大学に紹介しました。結果、60代の女性1人が舌がんと診断され、治療を行いました」
こう言うのは「ルネス青山デンタルクリニック」(東京・神宮前)の小林建院長だ。
幸い、この女性は早期がんだったため、放射線治療などで事なきを得た。しかし、発見が遅れていれば、舌を大きく切除することになり、がんが取り切れたとしても食事や会話が不自由になったり、顔が大きく変形するなど大変なダメージを受けていた可能性が高い。
「口腔がんには歯ぐきにできる歯肉がん、舌の下にできる口腔底がんなどがありますが、もっとも多いのが舌がんです。ところが口腔がんを積極的に見つけるための検診が行われていないため、単なる炎症と見られることが多く、発見が遅れる傾向があります。気が付いた時には手遅れのケースが少なくありません」(小林院長)