効果に疑問符 歯科医師はなぜ「歯磨き剤」を勧めないのか
歯磨きする際、当たり前のように使っている歯磨き剤。不思議なのは熱心に歯磨きの仕方や歯ブラシの選び方をアドバイスしても、歯磨き剤について話す歯科医師があまりいないこと。本当に必要なのか? 自由診療歯科医師で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。
「歯磨きで一番大事なのは歯ブラシの使い方です。必ずしも歯磨き剤は必要ありません。人によってはデメリットの方が多いかもしれません。少なくとも私は使わないし、普通は歯科医も歯科衛生士も使いません」
歯のトラブルの主な原因は食べかすなどが歯と歯の間などに残ってしまい、そこに細菌が付着して歯垢(プラーク)を形成するから。それを取り除くには歯ブラシによる機械的な動きをしっかり行うことが不可欠だが、歯磨き剤を使うと磨けてないのに磨けたつもりになり、結果的に虫歯や歯周病のリスクを高めることになるという。
実際、歯磨き剤には磨き心地を良くするために発泡剤やミントなどの清涼剤が多く含まれおり、たっぷり使うと過剰に泡立って口の中が爽やかさを感じてしまう。