男性の胃がん患者は80歳以上でも年間2万人超 予防法は?
男性のほうが胃がんにかかりやすいことがよく知られています。新規患者数で女性の2.2倍、死亡数で1.9倍も多いのです。そこで男性の新規患者数、各手術件数、死亡数を年齢別にして、表にまとめてみました。
患者は30代にもいますが、29歳以下ではごくまれです。しかし40代から増え始めるため、胃がん検診は40代からとされています。そして、50代に入ると一気に増加していきます。ピークは70代で、80歳以上でも、年間2万人以上に達しています。肺がんと同様、胃がんも最大のリスク因子は加齢というわけです。ただ、そう言ってしまっては身もふたもありません。ピロリ菌の感染や食塩の取りすぎは胃がんのリスクを高めるといわれていますから、できる範囲で予防を心がけるべきでしょう。
胃がんには放射線や抗がん剤があまり効きません。そのため、積極的に手術を行います。たとえば70代の新規患者約3万3000人に対して、手術件数の合計は約3万1000件。ほとんど全員が手術を受けた計算になります。
とはいえ70代の手術の半数は内視鏡、つまり患者の半分近くは「上皮内がん」だったというわけです。そうと分かってしまえば、少し安心できそうです。ただ、残りの約1万7000人は「本物の」胃がんだったと思われます。しかも70代の胃がん死は約1万1000人に達しているのです。つまり、高齢で「本物の」胃がんと診断されてしまったら、それなりの覚悟が必要になるということです。