治療のタイミングは どの歯が抜けたら検討すべきなのか?
歯科インプラント(以下インプラント)にも治療のタイミングがある。自由診療歯科医で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。
年齢を重ねるとともに歯周病や虫歯などで歯を失う人が増えてくる。
「1本や2本、歯がなくても問題ない」と思う人もいるだろうが間違いだ。
そのままにしておくと、口の中で大きな変化が起きる。
「歯が抜けた部分の顎の歯槽骨は歯を支える必要がなくなるので、『廃用萎縮』といってどんどん骨が吸収され、やせていきます。と同時に、抜けた歯の対合歯が歯がなくなったところに出てきて、本来は歯肉に覆われているはずの軟らかい歯根部が表面に現れ、虫歯が発生しやすくなります。また、抜けた歯のスペースに両隣の歯が倒れ込んできて歯並びが悪くなり、噛み合わせが悪化、やはり虫歯や歯周病が進行しやすくなるのです」
こうなると、やせた顎の歯槽骨の骨量を増やすことから始めなければならず、インプラントを入れるスペースをつくることも必要になる。