著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

「医療用麻薬」は適正に使えば依存は生じない

公開日: 更新日:

「やめられない薬」には、「治療上やめられない薬」と「患者の希望でやめられない薬」があります。継続の必要性が全くないにもかかわらず、患者の継続希望が強い薬の中には、いわゆる「依存性薬物」もあります。依存性薬物は慎重に開始し、効果を見極め、必要なくなった場合には、できる限り早急に中止すべきです。

 薬物依存には、「精神的依存」と「身体的依存」があります。「やめたくない」という思いから使い続けるのが前者、「やめることによって生じる症状(退薬症状)がツラくて、また使ってしまう」というのが後者です。覚醒剤は両方の依存が強く生じる違法薬物ですので、絶対に使ってはいけません。

 医療用麻薬(オピオイド性鎮痛薬)も、依存が生じることが知られています。

 しかし、「いつも依存が生じるわけではない」ということを知っておいていただきたいのです。同じ麻薬でも、適正な患者が使うのであれば依存は生じないのです。

 医療用麻薬は、がんの痛みや他の鎮痛薬が効かない慢性痛に用いられますが、がんの骨転移痛のような激しく痛みがある状態で使用しても、依存は形成されないということが証明されています。

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