依存症治療に変化 飲酒やめずに「減酒外来」という選択も

公開日: 更新日:

 どうやって家まで帰ったか記憶がない。つい人に絡んでしまう。軽く飲むはずが、翌日はひどい二日酔い……。お酒の失敗を繰り返している人は、「減酒外来」の受診を考えてみてはどうか?

■従来は「断酒」しかなかった

 わが国初の試みとして、4月から国立病院機構久里浜医療センターが「減酒外来」を開始した。樋口進院長によれば、日本のアルコール依存症の治療は、飲酒を完全に断つ「断酒」一本。依存症治療で減酒は忌み嫌われ、患者が「断酒はできない、減酒にしたい」と口に出せば、「それではダメです。治療になりません」と言われるのが常だった。

 同センターはWHO(世界保健機関)から日本で唯一のアルコール関連問題の施設として指定されており、受診するアルコール依存症患者は重症の人がほとんど。家族に無理やり連れてこられた人も少なくない。

 ところが世の中には、本人は“単なる飲み過ぎ”と思っているが、診療ガイドラインに照らし合わせるとアルコール依存症に分類される人がたくさんいる。今は軽症で、生活に支障が出るほどの問題を起こしていなくても、このままいけば将来的には重症のアルコール依存症患者になりかねない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇