食道がんのロボット手術 出血と合併症が3分の1に

公開日: 更新日:

 食道がんではダビンチ手術が最も患者に優しい術式といえるが、すべての患者に適応になるわけではない。同院の昨年の食道がん手術の内訳は、開胸手術が26例、鏡視下手術が8例、ダビンチ手術が8例(実施数に制限あり)だ。

「食道は大ざっぱに言うと内側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜に分かれていて、がんの広がりが大きい場合は、鏡視下手術やダビンチ手術は向いていません。基本的にダビンチ手術の対象となるのは、がんの広がりが固有筋層までの『T2』。ただし、食道外膜に広がる『T3』でも化学療法でがんが縮小できれば適応になる場合もあります」

 国内では237台(16年9月末現在)のダビンチが導入されているが、食道がんが保険適用になっても実施できる医療機関は限られる。それは胃がん大腸がんなどに比べて食道がんの患者数は少なく、術式問わず月間2例の手術を行っていれば多い方だからだ。そういう意味では、定期的に食道がんのダビンチ手術を行い精通する医師は希少な存在だ。

▽埼玉県出身。1995年東京医科大学医学部卒。戸田中央総合病院、愛知県がんセンター中央病院などの勤務を経て、2011年から現職。〈所属学会〉日本外科学会、日本内視鏡外科学会、日本食道学会、日本ロボット外科学会など。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"