重大病を引き起こすことも くしゃみを我慢してはいけない
春はくしゃみの季節。風で花粉やほこりが舞い、風邪やインフルエンザのウイルスが空気中を漂い異物が鼻に入りやすい。くしゃみは大量の唾やウイルスを飛ばし、静寂を破る。それを嫌って、自分の口や鼻を完全に覆ってくしゃみをする人がいるが、用心した方がいい。衝撃で、圧迫骨折、鼓膜破裂、脳動脈瘤破裂などの重大病を引き起こすことがある。
くしゃみは鼻に侵入した異物を取り除くための反射動作。鼻の粘膜に付着した異物が神経を刺激して、肺と腹部の間の横隔膜が収縮、息を吸い込んで一気に異物を吹き飛ばす。
その速度は、かつては時速300キロ以上といわれたが、ハイスピードビジョンシステムを用いた測定では、最大で時速25キロであることが分かっている。
その衝撃は強烈で、脳と脊髄を覆う硬膜に穴が開いて、その中の脊髄液が漏れる「脳脊髄液減少症」や「硬膜下血腫」などにつながったケースが報告されている。骨折も多いという。
「骨がもろくなりがちな高齢者や若い女性の中には、くしゃみで脊椎圧迫骨折する人もいます」