ニオイが消えたら黄信号 認知症は嗅覚を鍛えて予防・改善

公開日: 更新日:

「嗅神経は鼻で吸い込んだにおいの粒子を電気信号に変えて脳に伝えます。そのため、外界から悪い刺激も多く受けます。一方、アミロイドβは神経細胞死をもたらす“悪の存在”なのでなく、炎症や毒物、栄養不足から神経細胞を守ることがわかってきました。つまり、普段ならアミロイドβはほどよく産生され、ほどよく溶解されることでその役割を果たしているのですが、そのバランスが崩れたときに嗅神経を含めた脳神経を障害する、と考えたのです」

 ならば、嗅神経を鍛えれば脳神経を維持できるのではないか。浦上教授らは実際にアルツハイマー病17人を含む28人の高齢者に、アロマセラピーの効果を検討したという。

 28日間、毎朝、ローズマリーカンファーとレモンの精油を、夜は真正ラベンダーとスイートオレンジの精油の芳香剤を各2時間嗅いでもらったところ、その期間中は抽象的思考力が改善され、実験後は徐々に元の状態に戻った。

 同様の研究を特別養護老人ホームに入居する高度アルツハイマー病患者65人を含む77人を対象に行ったところ、高度アルツハイマー病患者のタッチパネル式の認知症評価法の点数がアップした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変