アルツハイマー病が軽症のまま? てんかん薬にかかる期待

公開日: 更新日:

 死去が報じられた女優で歌手の朝丘雪路さんは、アルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマー病)だった。根治法がない病気だが、早期にある薬を飲めば、軽症で一生を送れるかもしれないことが分かってきた。

 アルツハイマー病の治療の一つが、抗認知症薬で進行を遅らせること。アルツハイマー病を発症するとアセチルコリンという神経伝達物質が減少していくが、抗認知症薬にはアセチルコリンの減少を防ぐ作用がある。ただし服用していくにつれ、効果が薄くなる。

 一方、いま研究が行われているのが、「アミロイドβ」というタンパク質との関係だ。

 アルツハイマー病の患者の脳には発症前からアミロイドβがたまることが分かっており、神経細胞を興奮・死滅させ、認知機能を障害する。そしてアミロイドβは、てんかんにも関係している。

 東京脳神経センター病院・堀智勝院長が言う。

「2009年に、アミロイドβで誘発される神経細胞の興奮が、てんかんの引き金になるという研究結果が発表されました。ヒューマンアミロイドβを産生できるマウスを使い、脳の海馬に電極を入れて実験を行ったところ、脳にアミロイドβがたまったマウスの少なくとも65%がてんかんを起こしたのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 3

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 4

    “路チュー”に続き所属タレントの書籍予約トラブル…STARTO社福田淳社長は「自分ファースト」!?

  5. 5

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  1. 6

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 7

    プーチンだけが丸儲け…米国&ウクライナ会談決裂にニンマリのロシアが描く青写真と警戒心

  3. 8

    注目される日銀の出口政策…次は時価約74兆円のETF(上場投資信託)の出番だ

  4. 9

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  5. 10

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?