著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<8>B型には及ばないものの…O型は胃がんにもかかりにくい

公開日: 更新日:

 O型の人は胃がんにもかかりにくいことが知られています。

 そのことは、実は1920年代から指摘されており、50年代以降、主にヨーロッパの研究者たちによってたびたび確認されてきたことです。そして20世紀末までには、非O型(A型・B型・AB型の総称)はO型と比べて1.1~1.3倍程度、胃がんのリスクが高いというコンセンサスが形成されつつありました。

 ヨーロッパではA型とO型が圧倒的に多く、B型とAB型が少ないため、非O型といっても実質的にはA型ということになります。

 また20世紀に行われた研究は、胃がん患者を数百人から1000人ほど集めて、その血液型を調べるという小規模なものがほとんどでした。そのため、いまひとつ信頼性が低いという問題もありました。

 転機は2010年に訪れます。スウェーデンとデンマークの研究グループが、両国の献血者100万人以上を対象に、過去35年間に遡って胃がんの発症を調べた研究が発表されたのです。A型がO型よりも1.2倍ほど、胃がんのリスクが高いことが示されました。これは従来の結果と一致します。ところがB型が0.9倍と、O型よりもわずかながらリスクが低いと結果が出たのです。これは思いがけない結果でした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択