<8>B型には及ばないものの…O型は胃がんにもかかりにくい
O型の人は胃がんにもかかりにくいことが知られています。
そのことは、実は1920年代から指摘されており、50年代以降、主にヨーロッパの研究者たちによってたびたび確認されてきたことです。そして20世紀末までには、非O型(A型・B型・AB型の総称)はO型と比べて1.1~1.3倍程度、胃がんのリスクが高いというコンセンサスが形成されつつありました。
ヨーロッパではA型とO型が圧倒的に多く、B型とAB型が少ないため、非O型といっても実質的にはA型ということになります。
また20世紀に行われた研究は、胃がん患者を数百人から1000人ほど集めて、その血液型を調べるという小規模なものがほとんどでした。そのため、いまひとつ信頼性が低いという問題もありました。
転機は2010年に訪れます。スウェーデンとデンマークの研究グループが、両国の献血者100万人以上を対象に、過去35年間に遡って胃がんの発症を調べた研究が発表されたのです。A型がO型よりも1.2倍ほど、胃がんのリスクが高いことが示されました。これは従来の結果と一致します。ところがB型が0.9倍と、O型よりもわずかながらリスクが低いと結果が出たのです。これは思いがけない結果でした。