著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<5>O型は人類がマラリアに対抗するために生み出された

公開日: 更新日:

 血液型は、人類が進化の過程で、感染症に対抗するために獲得した形質のひとつだと考えられています。とくに有名なのが、マラリアに対する耐性です。蚊が媒介する伝染病の一種で、人類史上、最強にして最悪の病気といわれています。

 実際、治療薬が揃っている現在でも、熱帯地域を中心に、毎年2億人以上が感染し数十万人が死亡しているのです。

 感染すると、マラリア原虫と呼ばれる微小な病原体が赤血球に寄生し、その栄養を奪って増殖します。数が増えると赤血球の膜を破って血中に散らばり、さらに別の赤血球に寄生して増殖を繰り返し、勢力を増していきます。赤血球を破壊されるため患者は貧血気味になり、次第に衰弱していきます。しかしそれが直接の死因というわけではありません。

 マラリア原虫に寄生された赤血球は、周囲に正常な赤血球を集めやすくなります。顕微鏡で観察すると、複数の赤血球が花びら状に集まってみえるため、ロゼット(バラの花)形成と呼ばれています。ところがロゼットは、毛細血管を通過できず、詰まってしまうのです。そうなると末端組織への酸素と栄養の補給が阻害されるため、やがて多臓器不全を引き起こし、死に至ります。とくに脳、腎臓、肝臓、肺などがダメージを受けやすい臓器です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭