肺移植手術は末期呼吸不全から生還可能な唯一の治療法

公開日: 更新日:

「海外と比べて日本の脳死ドナーは極端に少なく、人口比では米国の40分の1です。それに、血液型や体格などの適合があるので、患者さんは平均2年半くらい待機していないと移植にたどりつけない。登録者の3分の1以上は待機期間中に亡くなっているのが現状です」

 運良くドナーの順番がめぐってきても、肺移植は手術関連死のリスクが15~20%と、他の手術(肺がんは約1%)と比べて格段と高い。

 また、移植が成功しても、拒絶反応の防止で免疫抑制剤を生涯服用する必要がある。慢性拒絶反応や感染症などから、世界的に肺移植後の5年生存率は約50%、国内では約75%だ。

■酸素吸入なしでスポーツも

 認定施設として後発の同院は、2016年から肺移植を始め、これまでの実施数は5例(生体肺移植2例、脳死肺移植3例)という。

「1例は病気の進行が予想以上に速い特殊なケースで退院できずに亡くなりましたが、あとの4例の術後経過は極めて順調です。酸素吸入を必要とした患者さんがスポーツができるようになったり、入院で寝たきりだった患者さんが社会復帰しています。すべての適合がうまくいけば、末期呼吸不全からよみがえることができる唯一の治療法なのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」