熱中症と勘違い 猛暑で増える肺血栓塞栓症に突然死リスク
今年は9月まで全国的に猛暑が続くとの予想が出ている。熱中症対策に気をつけなければならないが、もうひとつ、夏に増える「突然死に要注意の病気」も頭に入れておきたい。
総務省消防庁によると、7月3~9日の全国の熱中症による救急搬送人員は4241人で、前週の2倍以上。「熱中症対策にご注意を」というフレーズを、テレビのニュースなどで聞かない日はない。
「だからでしょうか、この時期、体調不良を感じたら『熱中症だ』とすぐに思い込み、体を冷やしたり安静にするなど熱中症対策で様子を見がち。それも大切なのですが、肺血栓塞栓症の可能性も考えてほしいのです」
■全身倦怠感、動悸、冷や汗がサイン
こう話すのは、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長だ。
肺血栓塞栓症は「エコノミークラス症候群」の別名でも知られる。足や下腹部の静脈に血栓(血の塊)ができ、それが肺に飛び、肺の血管を詰まらせる病気だ。
「速やかに肺血栓塞栓症と診断され治療を受けられた場合の死亡率は2~8%。しかし、診断が受けられなかった場合は死亡率が高くなり、30%といわれています」