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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

長生きすればリスクが増える 「終身医療保険」は無意味だ

公開日: 更新日:

 皆さんは終身型の医療保険がん保険に入っていますか。自分の寿命はせいぜいあと10年と思っている人は、そのまま入り続けていてください。しかしもっと長生きしそうな人は、即刻解約するべきです。

 健康保険の先行きが危ぶまれる時代だからでしょうか、民間の医療保険やがん保険に加入する人が増えています。一生保障の「終身型」と、保障期間を区切った「定期型」に分かれますが、圧倒的に終身型に人気が集まっています。

 中でも「何歳までに払い込み満了」という商品が売れ筋です。なにしろ「人生100年」なのですから、毎月払い続けるのは将来的に不安です。それよりは60歳とか70歳で、スッキリと払い終わるほうが安心でしょう。

 しかし少し冷静に考えれば、終身型保険の危うさにすぐに気づくはずです。仮にあなたが50歳としましょう。あなたはほぼ50%の確率で、93歳前後まで生き延びます。つまりあと43年間です。

 民間の医療保険・がん保険は、健康保険など公的医療保険を補完する役割しか持っていません。つまり、健康保険等で認められた入院・手術・通院治療等しか保障対象にならないのです。43年後、公的医療保険はどんな形で存在しているのでしょうか。いまでも入院日数が減ったり、入院そのものが難しくなったり、外科医が足りなくて、手術も受けにくくなったりしているのです。

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