「新鮮」に落とし穴…旬の魚に潜む寄生虫と食中毒への対処

公開日: 更新日:

 クドアによる食中毒も冷凍か加熱処理で予防できる。マイナス20度で4時間以上、あるいはマイナス80度で2時間以上冷凍、もしくは中心部の温度を75度以上で5分以上加熱するとクドアは失活する。

「冷蔵では1週間は生存するといわれています。ヒラメの刺し身を食べる際、食中毒が気になるなら冷凍処理をしたものを選ぶとよいでしょう。解凍してもクドアによる食中毒は起こりません。農林水産省・水産庁が、ヒラメの養殖場での適切な管理でクドアがヒラメに寄生することを防止する取り組みを行っており、食中毒数は低下しています」

 余談になるが、居酒屋のお通しや、干物、沖漬けなどで一年を通して食べる機会のあるホタルイカでも、「旋尾線虫」という寄生虫で食中毒が発生していた。

 旋尾線虫は胃壁や腸壁を食い破るだけでなく、腸閉塞を起こしたり、皮膚の下を移行してミミズ腫れを起こしたりもする。

 食中毒の発生を受け、厚生労働省は、生食する場合は一度冷凍したり、茹でるなどの加熱処理をする予防策を求め、最近では食中毒の報告はほとんどなくなっている。 

 寄生虫による健康被害は注意すれば十分防げる。「冷凍物は味が落ちるから、新鮮なものを生で食べたい」と考えがちだが、生食することのリスクを十分踏まえた上で冬の味覚を楽しんでほしい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」