刺し身に添えるワサビ 醤油で溶かすのが良くない理由
【Q】刺し身を食べる際、ワサビを醤油で溶かします。昨日、妻から「それはもったいない食べ方らしい」と聞きました。説明してもらいましたが要領を得ません。どういうことですか?
【A】刺し身にワサビを添えるようになったのは江戸時代からだそうです。にぎり寿司の普及と共に広がったそうです。ワサビには細菌やカビ、寄生虫などの増殖を抑える働きがあります。生ものである刺し身にワサビを添えるのは、その効果を期待しているからです。
先週放送の「金スマ」(TBS系)でも詳しくお話ししましたが、ワサビには栄養的にも優れた働きがあります。そのひとつが辛味のもとであるイソチオシアネート化合物が持つ、血液をサラサラに改善して、血流を改善する効果です。ところが、ワサビを醤油に溶かすと、水溶性であるイソチオシアネート化合物はワサビから流れ出てしまうといわれています。
もちろん、イソチオシアネート化合物は、醤油に溶いたとしても血液サラサラ効果が期待できることに変わりはありません。しかし、溶けたイソチオシアネート化合物を醤油ごと飲むことはできませんし、できたとしても塩分の取り過ぎでかえって体に良くありません。ですから、刺し身を食べるときは、ワサビを直接刺し身にのせ、逆側に醤油をつけて食べるのが正しいといえます。その方が、素材そのものの味を味わえます。